侵略と抵抗

2018/01/30

前田朗、青木書店。アフガン・イラク戦争における英米の戦争犯罪についての本。サブタイトルは「平和のための戦争犯罪論」 まぁ片手落ちな本である。大国による白色テロならば真っ先にチェチェンとアフガンが上がるべきだが、そこには触れられていない。素晴らしく左曲がりである。
とりあえず最大の問題点は「ブッシュ政権は大きな正義を振りかざし、自分に都合の良い資料だけを定義し、多分にイデオロギー的であり、正当な政治の手段を踏んでいない」と非難するこの本が、その非難する手段で書かれていることである。論戦の場に上がるのであれば、非難する対象の欠点を模倣して記述された言語に何の重さがあるのだろうか。
政治を非難し、あたかも自分が政治の場から自由な、一つの理想郷に立っているような態度はしかし、政治について語るとき、否、語るという仕草それ自体が自動的に孕んでしまう政治的な身ぶりについて、あまりにも不注意かつ危険な事態を呼び込む。そのことに自覚的でない政治言説は、説得力も改変の力も持たないだろう。